車道の真ん中でハトが息絶えていた。
このままでは車に轢かれてしまうと思い、歩道の脇へ移した。
足輪(「脚環」というらしい)には個体を識別する番号がついており、電話番号も記してある。
この近くには二軒ほどハト小屋がある。
そのどちらかのハトと決め込んで電話してみた。
練馬区石神井の方だった。
ここから何キロあるのだろうか。
レース鳩なら珍しくもない距離なのだろうか。
「かまくらみちの近く、横浜市内です」と伝えたら、先方も驚いていた。
「若いからカラスに追われたか何かで帰れなくなったのだろう」と。
それなりに大切にしていたと思われるが、迎えに来てくれる様子はない。
近くに斎場があるのでそこへ連れていくと話し、電話を切った。
感謝はされたけれど、亡くなったハトが哀れだった。
一羽いなくなっても代わりがいくらでもいるのだろう。
足輪に付いた番号から読み取れたのは、所有欲だった。
ナオちゃんを保護したわたしも同じだろうか。
安全のためと偽って、その実、自分が満足するためにナオちゃんを所有したいだけではないのかと、自問の日々だ。